ディクテーションでは、自分が聞き取れない箇所をあぶり出すことができます。
そして、大抵の聞き取れない箇所は、音声変化が起こっている箇所です。
この記事では、ディクテーションで発見した弱点を、どう克服していくのかを解説します。
ディクテーションの目的は弱点発見と克服
前の記事でもお伝えしましたが、ディクテーションで聞き取れない箇所をあぶり出した後は、苦手な音声変化を克服する訓練をすることが目的です。
単に「聞き取れなかった」で終わらせるのではなく、その後の学習に活かすことが重要なのです。
特に難しい音声変化:弱形と脱落
前回の記事でも少し触れましたが、英語講師をしていて、特に音声変化で苦手な箇所となっていたものが、弱形と脱落です。
連結は比較的身につきやすい
連結も苦手な方は多かったですが、やはりラ行化や同化、連結などは、なんとなく学習していくうちに聞き取りやすくなっていく方が多かったです。
「ここは連結してたでしょ」などと自信を持って発言するようになる方が多かったです。
弱形と脱落は最難関
その点、弱形と脱落は、音声変化としてのルールがわかっていても、なかなか身につかない方が多かったです。
やはり、文字が書いてあるのに、実際は聞こえない、もしくはほとんど聞こえない、というのが脱落と弱形ですので、難しい音声変化だと思います。
音声変化のルールを覚える重要性
スクールでシャドーイングやディクテーションをやる際には、音声変化のルールなどの説明があり、しっかり覚えるようにと担当の先生などに念を押されると思います。
独学の場合は特に意識的に
独学の場合は、音声変化をしっかり覚えるように意識しておかないと、リスニングしながら「これはなんというルールだっけ」という感じで都度見返したりすることになってしまうので、非効率です。
最初のうちは、ディクテーションやシャドーイングをする前に、必ずルールを見返すというようなことをしてください。
覚えたと思っても繰り返し確認
これも面白くない作業ですが、覚えたと思っても、チラッと見ることをしばらく繰り返しましょう。
音声変化のルールが頭に入っていないと、ディクテーションをしても「なぜ聞き取れなかったのか」が分からないままになってしまいます。
弱形とは何か
弱形というのは、特にしっかりと相手に伝えようという内容ではないために、弱く聞こえないくらいの音量で発音することになります。
弱形の例:our
例えば “our” など、文法的に必要であるけれども、「私たちの」ということを強調したくない場合は小さく発音されますし、かなり短く発音されることになります。
ですので、学校で習ってきたような「アワー」のようには聞こえることはありません。
強形との違い
強調する必要がない場合に弱形になるわけで、もしも「私たちの」ということを強調したいケースは、our は強形となり、はっきりと発音されます。
生徒さんの苦労
特に our で苦労されている生徒さんは多く、「何度聞いても聞こえないなあ」などということはありました。
思っている発音と実際の音声変化が違うので、聞こえないということになります。
弱形になりやすい単語
弱形になりやすいのは、主に以下のような単語です。
冠詞・前置詞
- a, an, the
- to, for, of, at
代名詞
- he, she, it
- you, your
- our, their
助動詞
- can, could
- will, would
- have, has
be動詞
- am, is, are
- was, were
これらの単語は、文中で強調されない限り、弱く短く発音されます。
脱落とは何か
脱落は、本来あるはずの音が消えてしまう現象です。
脱落の例
- good morning → “gud morning”(最初の d が聞こえない)
- next day → “nex day”(t が聞こえない)
文字では書いてあるのに、実際の発音では消えてしまうので、非常に聞き取りにくいのです。
ディクテーションで弱形と脱落を克服する流れ
では、具体的にどうやって弱形と脱落を克服するのか、流れを説明します。
ステップ1:ディクテーションで書き取れない
まず、ディクテーションで書き取れない箇所を発見します。
ステップ2:スクリプト確認
答え合わせで、何の単語が書き取れなかったのか確認します。
ステップ3:音声変化だと気づく
「あ、これは弱形だった」「脱落していた」と気づきます。
ステップ4:音声変化のルールを確認
なぜその音声変化が起こったのか、ルールを確認します。
ステップ5:シャドーイングで練習
同じ箇所をシャドーイングで何度も練習します。
自分で弱形・脱落を再現できるようになることで、聞き取れるようになります。
ステップ6:もう一度ディクテーション
しばらくしてから、もう一度同じ音源でディクテーションをします。
今度は書き取れるはずです。
音声変化マスターのコツ
音声変化をマスターするためのコツをまとめます。
①ルールを覚える
まずは音声変化のルールをしっかり覚えます。
特に弱形と脱落のルールは、繰り返し確認しましょう。
②ディクテーションで発見
ディクテーションで、自分がどの音声変化が苦手なのか発見します。
③シャドーイングで体得
シャドーイングで、その音声変化を自分で再現します。
自分で言えるようになると、聞き取れるようになります。
④繰り返し
同じ音源で、ディクテーション→シャドーイング→ディクテーションを繰り返します。
まとめ
ディクテーションで音声変化をマスターする方法:
特に難しい音声変化:
- 弱形(弱く短く発音される)
- 脱落(音が消える)
- 連結などは比較的身につきやすい
弱形になりやすい単語:
- 冠詞、前置詞(a, the, to, for)
- 代名詞(our, your, their)
- 助動詞(can, will, have)
克服の流れ:
- ディクテーションで書き取れない
- スクリプト確認
- 音声変化だと気づく
- ルールを確認
- シャドーイングで練習
- もう一度ディクテーション
マスターのコツ:
- ルールを繰り返し確認
- ディクテーションで弱点発見
- シャドーイングで体得
- 同じ音源で繰り返し
音声変化、特に弱形と脱落は、ルールを知っているだけでは聞き取れません。
ディクテーションで弱点を発見し、シャドーイングで体得する。この流れを繰り返すことで、確実にマスターできます。
次の記事では、「ディクテーションにおすすめのアプリ・教材5選」を紹介します。

