TOEICのリスニングパートで「なんとなくしか聞き取れない」「細かい部分を聞き逃す」という悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。
ディクテーションは、TOEICリスニング対策に非常に効果的な訓練です。
この記事では、元英語講師の視点から、TOEICの各パートでディクテーションをどう活用すべきか解説します。
ディクテーションに最適な教材とは
ディクテーションは自身の課題を発見するためのツールですので、おすすめは短い文で、その中に3つくらいは音声変化があるものがいいかなと思っています。
音声変化の種類
音声変化も均等に出てくるわけではないので一概には言えませんが、脱落、連結、弱形など、多くの生徒さんが慣れるまでに時間がかかっていたような音声変化が含まれているものが理想的です。
音声変化の二重発生に注意
中でも、音声変化のルールを覚えて、だんだん聞き取れる、そして書き取れるようになった生徒さんが迷ってしまうのは、音声変化が二重に起こっていたりする箇所です。
文法でもそうですが、基礎がしっかりとしていれば応用する余裕も出てくるので、しっかりと基礎の音声変化は自動化させておきましょう。
短い文でコツコツと
そのためにも、ディクテーションでは短い文でコツコツと弱点をあぶり出しては克服する作業が大事になってきます。
量より質です。
短い文の中にある音声変化などを正確に聞き取れることに集中しましょう。
TOEIC Part1でのディクテーション
TOEICで言えば、Part1がおすすめです。
Part1の特徴
- 非常に短い文
- 1文に複数の音声変化
- 写真描写で内容も理解しやすい
やり方
- 音声を聞く
- 聞こえた通りに書き取る
- スクリプトと照合
- 聞き取れなかった箇所を分析
慣れてきたら全文書き取り
慣れてくれば、区切りながら、Part1の全文書き取りの練習ができます。
TOEIC Part2でのディクテーション
Part2も、ディクテーションに適しています。
Part2の特徴
- 短い会話(質問と応答)
- 音声変化が豊富
- 応答のパターンを学べる
やり方
Part1と同様に、慣れてくれば全文書き取りの練習ができます。
注意点
無理をしたり、完璧主義にならないことが大切ですので、ディクテーションでは、聞き取りだけが目的だと割り切った方がいいでしょう。
全文を無理にやる必要はありません。
TOEIC Part3, 4でのディクテーション(応用編)
リスニングパートでのPart3, 4は応用編です。
Part4はシャドーイング向き
特にPart4はシャドーイングにおすすめの教材ですので、ディクテーションで利用する場合には、全体を聞きながら、聞き取れなかったと思う箇所だけ、書き取ってみましょう。
全文ディクテーションは大変
Part3, 4の全文ディクテーションは時間がかかりすぎるため、おすすめしません。
聞き取れなかった部分だけに絞ることで、効率的に弱点を発見できます。
繰り返しが重要
何より音声変化を自動化するまで習得することが目的ですので、繰り返し同じ問題を解くことがコツとなります。
飽きてしまう人へ
シャドーイングでもそうですが、同じテキストだと飽きてしまう、という方もいらっしゃいました。
でも、同じものを繰り返すことで、徐々に脳への負荷が減り、細かい部分にリソースが使えるようになります。
楽しみと学習を分ける
別途何か楽しみで読んでみたり、聞いてみたりするのはお勧めできますが、同じものを繰り返すということは英語学習では必要になってきますので、そことは分けて頑張ってみてください。
TOEIC用ディクテーションのコツ
では、TOEICでディクテーションを活用するコツをまとめます。
①公式問題集を使う
TOEIC公式問題集は、本番と同じ形式・スピードなので、最適な教材です。
②Part1, 2から始める
短い文から始めることで、挫折せずに続けられます。
③音声変化に注目
聞き取れなかった箇所は、音声変化が原因であることが多いです。
脱落、連結、弱形など、どの音声変化が苦手か分析しましょう。
④繰り返し同じ問題
新しい問題に次々と手を出すより、同じ問題を繰り返す方が効果的です。
⑤Part3, 4は部分的に
全文ではなく、聞き取れなかった箇所だけに絞りましょう。
ディクテーションで見つけた弱点の克服法
ディクテーションで弱点を見つけたら、次はその克服です。
①音声変化が原因の場合
シャドーイングで音声変化を体得しましょう。
同じ音源でプロソディ・シャドーイングを繰り返すことで、音声変化が自動化されます。
②語彙不足の場合
TOEICによく出る単語を優先的に覚えましょう。
金のフレーズなどの単語帳がおすすめです。
③文法理解が追いついていない場合
Part5の文法問題を復習し、文法パターンを習得しましょう。
TOEIC対策ディクテーションのスケジュール
では、どのようなスケジュールで進めればいいか、例を示します。
1〜2週目:Part1集中
- Part1の全問題をディクテーション
- 聞き取れなかった箇所をシャドーイング
- 繰り返し
3〜4週目:Part2追加
- Part2のディクテーション開始
- Part1も継続
- 音声変化の弱点を克服
5週目以降:Part3, 4部分的に
- Part3, 4の聞き取れなかった箇所だけディクテーション
- Part1, 2は継続
- 全体的な底上げ
まとめ
TOEIC対策にディクテーションを活用する方法:
教材選び:
- 短い文で音声変化が3つ程度含まれるもの
- TOEIC公式問題集がベスト
Part別活用法:
- Part1, 2:全文ディクテーション(短いので可能)
- Part3, 4:聞き取れなかった箇所だけ(応用編)
コツ:
- 量より質(短い文で確実に)
- 繰り返し同じ問題
- 音声変化に注目
- 完璧主義にならない
弱点克服:
- 音声変化→シャドーイング
- 語彙不足→単語学習
- 文法→Part5復習
重要なポイント:
- 同じものを繰り返すことで脳の負荷が減る
- 楽しみと学習を分ける
- ディクテーション→シャドーイングのセットで
TOEICリスニングで高得点を狙うなら、ディクテーションで弱点を徹底的に潰しましょう。
短い文でコツコツと、が最短ルートです。
次の記事では、「ディクテーションで音声変化をマスターする方法」について解説します。

