「TOEIC 600点は取れたけど、そこから伸び悩んでいる」
「何を勉強すれば700点に到達できるのか分からない」
600点から700点の壁は、多くの学習者が直面する大きな関門です。
英語講師として多くの生徒さんを指導してきた中で、この壁を越えられる人と越えられない人には、明確な違いがありました。
この記事では、TOEIC 600点から700点に到達するために必要な学習法と、よくある弱点の克服方法を解説します。
「裏技」は存在しない
よく、TOEICの解き方の正解のようなことを質問されます。
「リーディングの問題をどこから解いたらいいですか?」
「先読みのコツを教えてください」
しかし、基本的に正解はありません。
理想的な状態とは
- リスニング:頭からそのまま処理する
- 単語:ビジネス単語を考えなくても出てくらいに身につけておく
- リーディング:正確に、頭から順に早く理解する
これが理想です。
裏技があるわけでもないので、コツコツと文法と単語を瞬時に使えるほどに自分のものとし、その上で、聞こえるようにする、早く読めるようにする。それが王道です。
600点から700点への壁:リスニング編
こういうと、身も蓋もないので、やはりアドバイスをお伝えします。
問題①:会話の流れについていけない
600点台の方の多くは、Part3, 4で会話の流れについていけないことが多いです。
600点台で伸び悩む原因として、Part3・4の処理が追いついていないケースは非常に多いです。
長文リスニングを安定させる練習法は、こちらの記事で詳しく解説しています。
問題②:音声変化が身についていない
大体の生徒さんは、音声変化の訓練に慣れてくると、1つだけ苦手な音声変化があったりします。
脱落や連結が苦手で、見ればわかる単語を聞いても認識できていないのです。
さらに音声変化が重なって起きていると、見たことも聞いたこともない単語に思えてきます。
先読みは完璧でなくていい
よく、Part3, 4の先読みができていないことが原因と言われますが、実は先読みは完璧でなくても大丈夫です。
処理速度が上がり、その時その場で理解し始めるようになれば、落ち着いて、音声が流れてきてから取り組んでも全く問題ありません。
余裕があれば、1つか2つの選択肢をチラッと見ればいい。全てではなくて、目に入った単語だけでも、これからされる会話の内容を自動的に想像することになるのだから、助けになります。
音の処理や意味の処理にいっぱいいっぱいの段階で、先読みを急いで、1つ1つの問題への集中力がおろそかになるよりも、ずっといいのです。
リスニング力向上の鍵:シャドーイング
600点から700点に伸び悩む原因の多くは、シャドーイング不足です。
以前の記事でもお伝えしましたが、音声知覚を自動化することで、脳のリソースを意味理解に回せるようになります。
できれば、コンテンツ・シャドーイングも頑張って、脳の処理スピードを上げてほしいです。
600点から700点への壁:リーディング編
問題①:文法知識が曖昧
前回の記事でも書きましたが、必ず中学生レベルの文法は身につけておくこと。
かなり長く感じる文でも、単純に主語が長かったりすることがあります。
「これがSで、これがVだ!」と瞬時に判断できることが重要です。
例えば、SVがあるのなら、またVを選ぶのはおかしいな、といった判断が瞬時にできるようになる必要があります。
チャンク(意味の塊)で理解する
シャドーイングの記事でも触れましたが、意味の塊であるチャンクごとに頭から理解できるようになるといいです。
これは、もちろんリーディングにも効きます。
スラッシュリーディングの活用
Part5でも、自分が一瞬で理解できる範囲を塊として捉えながら、読み進めます。
その意味塊をスラッシュで区切りながら(スラッシュリーディング)、「この塊はどんな意味?」と理解する。それを前から順に、戻らずに読み進めること。
リーディングも早くなるし、構文理解もこうやって勉強していけば英語を英語のまま理解するというスキルが身につきます。Part6,7にも効く勉強法です。
語彙力の重要性
文法に加えて、単語もコツコツやってほしいです。
曖昧な単語は脳のリソースを無駄遣いする
単語が曖昧で、TOEICというスピードの世界で思い出すことに脳のリソースを使っていては勿体無いです。
知らなければ脳が考えることすらないですが、半端に覚えていると、似たような音声が流れてきた場合に悩んでしまいます。
瞬時に思い出せることが大切
瞬時に思い出せることが大切です。
曖昧な単語を幅広く70%覚えるのではなく、スモールゴールのために、今必要な単語を100%で覚えること。
これが600点から700点に到達するためのコツです。
実力がついてきた段階では、本番での時間配分がスコアを左右します。
最後まで解き切るための時間配分の考え方はこちらでまとめています。
学習中に感じる「できなくなった」感覚
よく、勉強中は曖昧な単語、文法などストックが増えて脳が迷いやすいので、「前より英語ができなくなったかも…」と感じる学習者がいます。
これは当然のことです。
新しい知識を入れている段階では、既存の知識と新しい知識が混ざり合い、一時的に混乱することがあります。
しかし、これは成長の証です。諦めずに続けることで、やがて整理され、確実に力がついていきます。
600点から700点に必要な学習
リスニング対策
- シャドーイングを徹底する
- 音声変化を体得する
- プロソディからコンテンツへ
- Part3, 4の音源で練習
- TOEIC公式問題集の音源を使う
- 会話の流れを予測できるようになる
- 先読みは完璧を目指さない
- 処理速度を上げることを優先
- 余裕があれば選択肢をチラ見
リーディング対策
- 文法を瞬時に判断できるレベルまで
- SV構造を見抜く
- 中学レベルの文法を完璧に
- スラッシュリーディングで速読
- チャンクごとに理解
- 頭から順に読む習慣
- 単語は100%の精度で
- 今必要な単語を完璧に
- 曖昧な単語を減らす
まとめ
TOEIC 600点から700点の壁を越えるために:
リスニング:
- 音声変化を徹底的に体得(シャドーイング)
- 処理速度を上げる(コンテンツ・シャドーイング)
- 先読みにこだわりすぎない
リーディング:
- 文法を瞬時に判断できるレベルに
- スラッシュリーディングで速読力アップ
- 単語は100%の精度で覚える
心構え:
- 裏技は存在しない、王道が最短ルート
- 一時的に「できなくなった」と感じても気にしない
- コツコツ続けることが確実な成長につながる
600点から700点への道のりは決して簡単ではありませんが、正しい方法で学習を続ければ、必ず到達できます。
次の記事では、「TOEIC Part3&4 攻略法」について、シャドーイングとの連携も含めて詳しく解説します。

